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《ネタバレ》 目が覚めたら、イキナリ10年後の世界だった。周囲には10年の時間経過があるが、少年にとっては翌日でしかない。少年は「現実」に修正を加えようとする。それは少年にとっては「現在」の継続でしかないが、周囲にとっては「過去」を取り戻そうとしているように映る。この各々におけるある種の「10年ギャップ」が淡々と描かれる。製作者の意図するメインテーマは家族の崩壊と再生なのだろうが、時間論的テーマを見落としてしまうとこの作品の面白さがわからないだろう。終盤の加害者による少年の「現実」の破壊行為は「現在」の継続と取り戻せない「過去」との交錯・対比が見事に描写された名シーンだ。が、ここはもっと派手にやってもよかったような。また、西島の演技にはやや達観が感じられ、精神年齢14歳の少年ならではの戸惑いや苦悩のようなものが少々欠如していたように思える。全体的にはもうちょっと丁寧にわかり易く描いてもいいようにも思えるが、あんまり説明過多になると、単なる家族の物語といった人情物になってしまうので、難しいところなのかもしれない。『ニンゲン合格』の題名が意味するところは「存在」(の価値)なのだろう。と考えると真のテーマは『存在と時間』という事になるのかもしれない。
【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-07-12 13:37:28)
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