| 作品情報
レビュー情報
奥に若尾、手前に高峰が枕を並べるシーン、パンフォーカスで撮られた二人の表情、その冷ややかさには一瞬フィルムが凍りついたような錯覚を受ける。背を向ける高峰を射抜くほどの若尾の視線、若尾には一切目をやろうとしない高峰の視線、この視線の交わらなさがセンチメンタルを排除し、嫁と姑の底流に流る意地を謳いあげる。白く美しくも毒のあるマンダラゲの花畑を、嫁にとっては美しくあこがれの人であった母になぞらえ、好評や美談の危うい脆さを画面に露呈させながら人間の本質へ迫る増村保造の渇いたタッチはここでも健在である。
【彦馬】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-04-14 00:37:21)(良:3票)
彦馬 さんの 最近のクチコミ・感想
|