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「差別」この人間社会における普遍のテーマに対して、真っ向から取り組み、差別の構図に肉薄した、骨太な社会派映画である。私の心に深く残っている作品だ。
「差別的な行為を傍観することはそれに荷担したことになる」本作の中でグレゴリー・ペック演じるフィルは言う。 至極尤もで反論の余地などない。 しかし、このような「正義」を振りかざすことは、また次の争いや差別の種になるということも、一方で悲しい現実であるということは言えないだろうか。争いは常に正義と正義のぶつかり合いである。 「差別」の原因・背景については掘り下げることがなかったという点もやや残念だ。 とはいえ、先述したように、決して浅はかなものにはなっていない。 この難しいテーマを、極めて真面目に誠意をもって取り組んだ本作を、私は称えたいと思う。 翻って、この素晴らしい作品を観て、カザンの生涯を思うとき、あらためて思うのだった。「正義とは自分の良心にこそ、突きつけるものだ」と。 【poppo】さん 8点(2004-04-20 16:59:10)(良:2票)
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