ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 の onomichi さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
 > onomichiさんのレビュー
ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 の onomichi さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
製作国
上映時間108分
劇場公開日 1973-10-13
ジャンルアクション,ドラマ,ウエスタン,犯罪もの
レビュー情報
僕にとってのペキンパーNo.1。この映画は、ペキンパーの思想そのものだ。ペキンパーほど生き様と死に様が醸し出す時代精神の深みを切実に描く作家はいない。見方によってはすごく青臭いと思うかもしれない。クリストファーソンやディランのようなミュージシャンを出演させていることが若者に媚びた印象を与えたかもしれない。ジェームズコバーンが単なる理不尽なおじさんにみえたかもしれない。そう、どれも当たりです。いや、逆です。すべてがペキンパーそのものなのです。クールに生きて、あっけなく死んでいくクリストファーソンと葛藤に苛まれながら己の生き様を貫いたコバーンの対比。生き様が死に様であり、死に様が生き様であることを体現していく多くの脇役たち。<イカサマおじさんや川縁の決闘で死んでいく老ガンマンが特によかったけど、その他ペキンパー映画の常連たちも素晴らしい> これら一つの時代の終わりを丹念に追っていくこと。ひとつひとつにペキンパーの情念が感じられないだろうか? こんなにもカッコよくて、こんなにも哀しい群像に満ちた作品が他にあるだろうか? ペキンパーの撮影中の酒乱が原因で撮影が長引き、編集権を配給会社に奪われたりとかなんとか、そういう先入観でこの映画を観てはいけません。ここにこそペキンパーの集大成があるのですから。それぞれのシーンを揺蕩(たゆた)う深く哀しい情念の灯火。僕はしっかりと受け止めましたよ。とてもぐっとくる映画。
onomichiさん 10点(2002-01-12 00:11:12)(良:2票)
onomichi さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-10-22サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)8レビュー8.00点
2024-10-05影の車9レビュー7.08点
2024-10-05ノーカントリー9レビュー6.41点
2024-09-16ソウルの春10レビュー8.50点
2024-09-05ラストマイル7レビュー6.21点
2024-09-05君たちはどう生きるか(2023)8レビュー5.87点
2024-09-05映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ8レビュー7.37点
2024-09-05福田村事件8レビュー7.22点
2024-07-14サラリーマン一心太助8レビュー8.00点
2024-07-14一心太助 男一匹道中記7レビュー7.00点
ビリー・ザ・キッド/21才の生涯のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS