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エルロイの描く暗黒のLA。主演の3人の男達が役柄にぴったりとはまっていて、登場人物達の雰囲気はわりとよく出ていたと思う。ただ残念なのは、その「暗黒」の描写、ストーリーについて。少々分かりやすさに走りすぎ、実際、後半部はかなり話を単純化してしまった。この「LAコンフィデンシャル」だけで話を完結しようと思うとこうなってしまうのかな。エルロイの暗黒のLA3部作と呼ばれるシリーズ小説の第2作目が「LAコンフィデンシャル」になるが、3部作に先駆ける「ブラックダリア」も含めて、このシリーズの主役はまさにLAの「暗黒」世界そのものなのである。その暗黒部を体現する人物がこの映画化作品にも登場するが、その存在はあまりにも貧弱化されてしまった。というか、原作においてエルロイが粘質的、衝動的に描く世界と人の心の巨大な「暗黒」、ビッグ・ノーウェアをその貧弱化された人物に集約させすぎてしまったか。その為、空気の如く蔓延る世の「暗黒」に翻弄されつづける主人公達が、常に反芻を迫られる自身の心の暗黒面や、そのちっぽけな生き様死に様に対する冷徹な透視が弱く、なんとなく男達の愛と勇気の友情物語的な落とし方になってしまったと感じるのは、分かりやすさをモットーとするハリウッド映画だからしょうがないのかもしれない。でも、まぁなんだかんだ書いたけど、エルロイの小説を映画化した努力は認めるし、出来としては、結局のところそんなに悪くない、と思う。
【onomichi】さん 8点(2003-10-23 12:53:49)(良:1票)
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