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《ネタバレ》 この映画はATGの系列で上映されたので観る機会があったひとは少ないのではないかと思います。米国政治における大統領の地位の継承順序、国務長官(外相相当)等の閣僚の任命に上院の承認が必要、上院議長は副大統領が就き賛否同数の場合は議決に加わるなど米国政治システムの基本的な知識を前提にしています。自分の死期の迫っていることを知った大統領が後継者を考えて新たな国務長官として上院に諮る候補者とその経歴を追求する若手上院議員に届いたブラックレターから展開する事件で、共産主義と同性愛と言う当時の米国での重大な案件が題材とされています。しかしこの映画での重要なテーマは政治家の正直さと言う多数を代表してことを行う立場の人間に基本的に要求されるモラルの問題でそれぞれの主人公が(妻にもなかなか告白できずに)苦悩することですが、これは日本の政治家、役人、会社役員が悩まずに嘘を言うところとは対照的です。自殺事件により露見する恐れの無くなった偽証を妻に告白して「自分には資格がない」と言う場面から、それらの事件を踏まえて良心による自由投票を提案する院内総務の行動など良識ある政治への期待を込めた映画です。最後の結末は問題を残したままですが、まあこれで良かったのかなとも納得させられます。
【たいほう】さん 9点(2004-10-04 08:42:28)
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