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《ネタバレ》 戦場での無能な上官の射殺と言う衝撃的題材の評判は公開時にも聞いていましたけれど、それから50年を過ぎてから観た限りではそれほどのことはない。欧州での戦争も終幕に近くなった前線の部隊における小さな戦闘での無能な上官をめぐるエピソードです。本当の悪は近づく終戦後における自己の生活のための野心実現の思惑から問題のヘタレ大尉を手元に保護して親に恩を売る中佐であるのは恐怖で室内履にしがみつく様子などで次第に観客にも明らかになってきます。そして割を食うのは任務に忠実な兵士達。ジャック・パランス演ずる不死身の中尉は最後のほうになって急に信仰心の厚いところや負傷兵への対応などにちょっと善玉過ぎるところが違和感を感じました。しかし彼の死に様によって周囲に無能な上官を耐える風潮からの脱却の決意を起こさせたことには恐らく軍当局にも危険を抱かせたでしょう。このような場合にその事実を告発するのは非常に困難であり昇進をほのめかして勝ち誇って笑う様子と恨みを表したまま死んだ同僚を見るときの観客の共感をぶつけたラストの締めくくりはドラマとして驚きではないが定石とも言えます。「ケイン号の叛乱」とかと同し線にある軍隊告発映画ですが、マッカーシーとかの赤狩りには生き延びたらしいです。ジャック・パランスは「シェーン」の悪役が一転しての善玉ですが、あの個性的な風貌では少し似合わないです。
【たいほう】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-28 01:40:28)
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