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《ネタバレ》 ロジャー・ムーア版の「007」を初めて観た。
自分の両親の世代では、「誰のジェームズ・ボンドが一番か?」という質問に対して、ショーン・コネリーとロジャー・ムーアで二分するようだ。 もはや死語として風化しつつあるこの時代ならではの“ダンディズム”こそが、“ジェームズ・ボンド”というキャラクターに与えられた性質であり、確かに両者ともタイプは違うが演技から溢れ出んばかりのダンディズムが印象的な俳優だと思う。個人的には、ショーン・コネリー版に一票入れたい。 アクションシーンについては、現代の最新作と比べるとやはり愚鈍に見えてしまうことは否めない。しかし、「面白いアクションを見せよう!」という気概は充分に伝わってきて、その気概こそがこの映画シリーズの娯楽性そのものだと思えた。 ジェームズ・ボンドが雪山からダイビングしユニオンジャックのパラシュートが爽快に開くアバンタイトルにアガり、 “ボンド・カー”のロータス・エスプリが水中を突き進んでいく様にアガり、 “ボンド・ガール”として終始主人公と同伴するソ連の女スパイの格好がいちいちエロいことにアガる。 また悪役キャラクターの存在感も際立っており、アクションシリーズならではのエンターテイメント性を高めていると思う。 今回のボンド・ガールにとってジェームズ・ボンドは恋人の仇のはずなのに、結局最後はなし崩し的に“よろしく”やっちゃう顛末も、「なんでやねん!」と突っ込みを入れつつも、問答無用に親指を立てたくなった。 過去作の良いとこ取りな感じで、様々な要素や描写が盛り込まれているタイプの映画なので、その分尺がいささか長めだけれど、もし自分がこの映画を1977年当時に映画館に観に行ったとしたならば、やっぱりこれくらいのボリュームは欲しいと思うところだろう。 【鉄腕麗人】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-11-23 02:18:05)
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