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自分の生きる“術”として、銀行強盗を続ける男と、その男を追い続ける男。
それぞれの信念を持って自らの人生を全うする二人の姿は、熱く、同時にとても脆い。 その「脆さ」こそ、この映画が描く本質だと思った。 この映画は、二人の男同士の対決を描いているのでもなければ、悪と正義の攻防なんてものを描いているのでもない。 一人一人の男の人生におけるある種の「無様さ」を描いている作品だと思う。 主人公の強盗を演じるジョニー・デップも、それを追跡する捜査官を演じるクリスチャン・ベール。 二人とも円熟期を迎え、人気と実力を兼ね備えた俳優だけに、抜群の存在感と巧さを見せる。 しかし、演じるキャラクターは、それぞれ決して格好良くはない。 自らの運命に葛藤し続け、苦闘し続ける。 そして両者ともが、最良の結果を得られない。 その両者の渦巻く内情こそが、この映画の核心であり、濃密なドラマ性だと思う。 マイケル・マンという監督は、相変わらず男の深い葛藤を描くのが巧い。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-30 15:52:14)
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