ウルフマン(2010) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想

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ウルフマン(2010) の 鉄腕麗人 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウルフマン(2010)
製作国
上映時間102分
劇場公開日 2010-04-23
ジャンルアクション,ホラー,サスペンス,リメイク
レビュー情報
《ネタバレ》 「狼男?今更?」
という第一印象を持ち、その今更感たっぷりの作品に、ベニ・チオ・デルトロとアンソニー・ホプキンスの濃ゆ過ぎるキャスティングの意味と価値は何なのか?という疑問を持った。

そんな疑問符だらけの印象だったので、映画館で観るつもりはなかった。
しかし、所用で早起きした日曜日の午前中、ぽっかりと空いた時間に映画館に行くと、観たかったアカデミー賞絡みの作品はことごとく午後からの上映スケジュールとなっていて、唯一時間が合ったのが今作だった。

「まあ、これも巡り合わせか」と思い、諦めて鑑賞に至った。
(ただし、その反面「もしかすると……」という淡い期待が無かったわけではない)

映画は、予定調和に終始した。
薄暗いオールドイングランド、妖しく荒れ果てた大屋敷、尊大で謎を秘めた領主、満月の夜の惨劇、闇夜を疾走する怪物、主人公に訪れる悲劇…………。

ベニ・チオ・デルトロの疑心暗鬼な表情から、アンソニー・ホプキンスの溢れる異常性まで、すべてがいわゆる”お約束”の中で展開される。
そのベタベタな展開に対して冒頭は呆れる。しかし、次第にその展開の性質は、突き詰められた「王道」に対する美学へと転じていく。

用意されたストーリーに衝撃性はまったく無いと言っていい。ただ恐怖シーンでは約束通りに恐怖感が煽り立てられ、感情が揺さぶられる。

つまりは、観ている者の恐怖感や驚きまでもが、予定調和の中にしっかりと組み込まれているということだと思う。

「狼男」の映画として、「良い意味で裏切られた」なんて思う部分は一切無い。「まさに狼男の映画だ」と言うべき映画だ。
よくよく考えてみれば、「今更狼男?」と思う反面、実際はまともに「狼男映画」なんて観たことがないということに気づいた。

この映画は、「狼男」という大定番のモンスターの本質をしっかりと描き、“ゴシック・ホラー”を見事に蘇らせた意外な程に堅実な良作だと思う。


P.S.見所はやっぱり“変身”シーン。
単に毛深くなったり、爪や牙が伸びるといった安直なものではなく、「骨格」が生々しく転じていく様がインパクトがあって良い。
タダでさえ濃いデルトロやホプキンスがそうなるので、衝撃は殊更。

ストーリーに驚きがない分、逆に何度も観たくなる。そういう面白味に溢れた作品だ。
鉄腕麗人さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-26 23:55:26)(良:2票)
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