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15年前の公開時に映画館で観て、「なんて面白い映画なんだ!」と興奮した。あれから都合3回以上は鑑賞していると思うが、何度観てもやっぱり同じ感想が口から出てくることは、アクション映画として本当に凄いことだ。
普通、どうしたって時間の経過とともに娯楽性の高揚感は薄れてしまうものだけれど、この映画にはそれがない。 ジョン・ウーによるまさに奇跡的な娯楽映画だと思う。 最大の「勝因」は、何と言っても主演俳優“二人”のキャスティングに尽きる。 ジョン・トラヴォルタとニコラス・ケイジこのハリウッドきっての個性派スターが、「対峙」したことで奇跡は起こったと言って過言ではない。 「善と悪の立場が入れ替わる」という類いの映画は多々あり、当然一人の俳優が二通りのキャラクターを演じなければならないわけだが、大概の場合、俳優の“フィット感”はどちらかのキャラクターに偏るものだ。 しかし、今作のジョン・トラヴォルタとニコラス・ケイジは、それぞれが善と悪どちらを演じた時にも“フィット感”が半端ない。 両者とも“善”の時は深い哀しみと憂いを帯びつつも燃えたぎる「正義」を貫き、“悪”の時はとことんまで狂気的な残虐性を楽しんでいる。 単なる「名演」という言葉の範疇には留まらず、俳優という表現者としてのポテンシャルが爆発しているような印象を、この二人のスター俳優に感じる。 これでもかという膨大な物量のアクションシーンの興奮を経て迎えるラストのシークエンスで、不覚にも泣いてしまった。 絶望的な状況を戦い抜き、それまでに抱えてきた“心の傷”までも絶妙な塩梅で解消させてしまうこの展開力。 この映画はやっぱり奇跡的だ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2003-11-04 12:32:29)
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