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題材は風変わりで斬新ですが、画づくりは割と古風なところが魅力的です。デブっちょに関西弁のおじさん、奥手でまじめな主人公。この3人組のおかしなやり取りと、正面からの漫画ショットは、小津安二郎監督を敬愛する周防監督ならではの風合いです。特に、カットとカットを滑らかにつながず、あいだにワンテンポの「間」を取る編集によってもたらされる笑いの数々は、ツボにはまった人にはこたえられません。正面からの漫画ショットだからこそ、この「間」がよく効いています。以前、ちょっとだけですが、やっぱり社交ダンスをやっていたことがあるのですが、最初は照れくさいのとステップをうまくしなきゃって思うのとで、ついつい下を向いて踊ってしまうんですよね。そんな初心者が必ずしでかす典型的なパターンも「顔を上げて!」って、ちゃんと取り入れられています。こうしたところは取材もちゃんとされていて、思わず大爆笑してしまいました。相撲に社交ダンスに、次は何?っていう期待も高まりますが、異色の題材としてあとに続いた『ウオーターボーイズ』などの成功によって、邦画成功の一つの形を決定づけたこの作品の価値はさらに高まったという気がします。
【スロウボート】さん 7点(2004-01-23 01:19:25)
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