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リドリー・スコットはある意味俳優泣かせの監督である。彼の撮る映像は極めて個性的であり、アーティスティックだからだ。映像派監督と言われ続けていることは彼にとって一つの褒め言葉であろう。しかし俳優がどう頑張ろうと彼が撮る映像の前では、大きなキャンバスの中の一部分の絵に過ぎないからである。だがこの映画はどうだろう。彼の個性が殆ど出ていない。確かに所々いかにもリドリーらしい映像はあるが、映画を見ていて彼がこの映画を撮ったことをいつの間にか忘れるという体験は今回が初めてである。内容については可も無く不可も無くといったところか。私は彼がこの種の映画を撮ったことは少々驚きだったが、彼が言うには一つのジャンルばかりを撮るのは退屈だということらしい。いい脚本があればどんなジャンルの映画でも撮るということが言いたかったのだろうが、私はどう考えても次回作までの息抜きに撮った映画としか思えてならない。
【DREAM THEATER】さん 6点(2003-11-09 18:11:29)
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