キル・ビル Vol.2 の anemone さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > キ行
 > キル・ビル Vol.2
 > anemoneさんのレビュー
キル・ビル Vol.2 の anemone さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 キル・ビル Vol.2
製作国
上映時間136分
劇場公開日 2004-04-24
ジャンルアクション,ドラマ,カンフー,シリーズもの,犯罪もの,ヤクザ・マフィア,バイオレンス
レビュー情報
これ誉めちゃっていいのかなあ。レビューワーとしての良心は著しくとがめるんですけど、映画ファンのハートが「誉めて誉めて誉めちぎれ」と悪魔の声でささやき続けるんですよね。つい昨日、「コールドマウンテン」を「これは映画じゃない」とコキおろしたわけですが、じゃあ「キル・ビル Vol.2」は映画なのか、と。前半とつなぎ合わせて考えてもね、これってただのタランティーノの好きなものコラージュですよね。悪く言えばほとんど思いつきだけで出来ている。過去の作品にも十分あった傾向だけど、過激にエスカレートした結果、ストーリーもへったくれもない話になっちゃった。これが許されてしまうっていうこと自体が、タランティーノの実は最高の才能なんであって、普通こんなの絶対に許される物じゃない。言うなれば公開マスターベーションなわけですよ。実際、そういう映画ってけっこうあるし、たいていは誰からもハナもひっかけられない。ただしこの作品の場合は、あらゆるカットから監督の映画に対する熱い情熱がほとばしり過ぎてしまっているのが素人目にもあまりにもわかってしまうので、この狂おしいまでの愛情を誰も否定できないんだと思います。クライマックスだけあって前半のVol.1よりもはるかにテンポは良いし見やすいです。意見がハッキリ分かれた前作である程度客層が絞り込めた結果、劇場内は純粋なタランティーノファンだけで占められており大変雰囲気の良い鑑賞となりました。「Natural born killer.」とか、ビルの倒れるタイミングとかね、必要な場面でちゃんと笑いが取れてましたしね。この客層は本当に良かった。はっきり言って、タランティーノにある程度理解のある人以外は、見ても完全に無駄だと思います。これは彼の「好き!」だけに突っ走ってる映画だから、冷めた観客には通用しない。でも私は好きです。どこまでも、おつきあいしたいと思います。無茶苦茶で問答無用でセオリーもへったくれもないんだけど、これはタランティーノが本当に作りたかった映画。なんだかねえ、優等生みたいな人たちばっかり増えて、誰もがお利口になって行く中で、一人いつまでもガキ魂を失うことに決死の抵抗を続けている姿が泣かせてくれます。少なくとも、21世紀にはタランティーノがいる。これは大変な救いになっていると思います。
anemoneさん 10点(2004-04-26 23:29:55)(良:4票)
anemone さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2008-09-01南極物語(2006)8レビュー6.04点
2008-05-02実録・連合赤軍 あさま山荘への道程10レビュー6.72点
2007-04-21ロンゲスト・ヤード(2005)6レビュー6.40点
2007-04-19ミーン・マシーン9レビュー5.55点
2007-04-16セレンディピティ5レビュー5.73点
2007-04-14N.Y.式ハッピー・セラピー5レビュー5.43点
2007-04-14ビッグ・ダディ8レビュー6.05点
2007-04-08ジェリー10レビュー3.00点
2007-04-05ステイ6レビュー4.21点
2007-04-0450回目のファースト・キス(2004)8レビュー6.81点
キル・ビル Vol.2のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS