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その男は焦っていた。
〆切りに追われ上司からのプレッシャーに追い込まれ もう逃げたい一心でその日暮らしの毎日だ。 そんな最中、ある日見知らぬ男に呼び止められた。 いや、呼び止められたと感じたのは一瞬で 実際にはその男は何も喋らなかった しかし耳元で囁く声が聞こえる。 来る日も来る日も男が現れ囁く。 「・・・さぁ行こう・・」 なんだか自分だけがおかしくなってしまったのか? 周りの人間は一切気付かない。 でも自分の置かれている状況を気に掛けると その男に付いていきたくなる。 ある日、上司にこっぴどく怒られた。 もはや逃げる場所は何処にもなく ただ一点、空を見上げるしかなかった。 「そうだ、あの場所に行こう」 「きっとあの男に付いて行けば…」 「死ぬよりマシだ」 「今よりきっと良い場所に決まってる」 あの男が今は数人となって現われた。 前から囁かれていたあの数字の場所に連れて行くらしい。 突然空が明るくなり巨大な飛行物体が目の前に現れた。 「あぁコレに連れて行ってもらえるんだ・・・」 「コレでやっと楽になれる」 男は導かれるままに夢中でそれに乗り込んだ。 …………………………… 「あれっ!?……???」 「…そうか…。」 締め付ける様な頭痛に目が覚めた。 男は起き上がり溜息を吐く。 「コレが現実か…。」 【sting★IGGY】さん [DVD(吹替)] 5点(2010-01-29 23:55:36)
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