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《ネタバレ》 原作が藤子・F・不二雄のクレジットになってから初の「大長編ドラえもん」の映画化作品で、シリーズ10作記念でもある劇場版。久しぶりに見たが、やはり懐かしく見られた。今回の冒険の発端が「ドラえもん」ではよくあるのび太の家出というのがいかにもらしいし、本作ではのび太だけではなくほかの4人もそれぞれの理由で家出するというのが面白い。そしていざ家出してもどこも私有地や国有地で行き先がないというのはドラえもんでもどうにもできないという描写がなかなか良い。そこからのタイムマシンで行った7万年前の世界での生活もドラえもんの道具による助けがあるとはいえ、けっこう浪漫があって楽しく、のび太がドラえもんの道具を使って生み出した3匹の架空動物との交流も良いスパイスになっていて良かった。もちろんククルとの友情もしっかりと描かれ、とくに居なくなった動物たちを心配して元気のないのび太をククルが励ますシーンは今見るとけっこうグッとくるものがあった。ドラえもんが時空乱流を説明するシーンは子供の頃見たときはイマイチピンと来なかったのだが、今見ると何か怖さを感じる部分で、こういう成長して分かるようなシリアスな部分もしっかりしているのもドラえもん映画の良いところなのかも知れない。ギガゾンビのビジュアルはやっぱりインパクトがあるし、ツチダマも独特の存在感を放っていてこの二人は劇場版歴代の悪役の中でも印象に残る。後半は少し駆け足気味でツッコミどころも増えてしまった感じはあるものの、遭難したのび太をひとり助けに行こうとするジャイアンに相変わらずやっぱり男気を感じずにはいられない。ギガゾンビによって地底に閉じ込められたドラえもんがドラミが気が付いてくれればと言っているが、来なかったのは本作の同時上映作品である主役映画の撮影していたからかなと子供の頃から思っていたが、今回もつい同じ事を思ってしまった。そこからの逆転劇は非常にあっさりとしていて物足りなさもあるが、架空動物たちとの別れのシーンからそのままエンドロールに入るラストシーンがとても好きだ。エンディング主題歌である「時の旅人」も名曲。大山のぶ代さん、小原乃梨子さんに続いてこの「時の旅人」を歌っている西田敏行さんも亡くなられてしまったのが非常に残念で惜しい。(2024年10月27日更新)
【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2005-04-01 23:30:53)
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