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《ネタバレ》 カッコーはモズやホオジロなどの巣に托卵する。巣の主はそれを自分の子として世話する。
カッコーの習性を、人間の倫理は他力本願で怠惰な行為と位置づける。まぎれもない大自然の一部をも、ともすれば私達は自分の尺で計ってしまう。私達には、自らに都合の良いルールを決められる知恵があるからだ。 その知恵がない者「精神病棟の住人たち」に、人間社会のルールは通用しない。だからこそ私達は彼らを持て余し、私達の生活を脅かさない場所に押し込める。社会がマイノリティを犠牲にして総意を得ていることを、私達は暗黙で了解しているのだ。 カッコーの子供であるマクマーフィは、親鳥である病院によって抹殺されてしまった。人間というものは、モズやホオジロよりも了見が狭い生き物なのだ。しかしまんまと正体を隠し通したチーフは巣立っていった。私達の手の中にはまだ希望が残されている。 【337】さん 9点(2004-01-10 20:05:44)
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