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《ネタバレ》 「スタンド・バイ・ミー」よりもこっちのほうがずっとずっと共感できる。チャン・ツィイーは表情で語る女優だな、と思った。セリフがなくても表情で演技をする。一途で経験がないからこそ、一生懸命に相手を思う主人公の心情が、誰もが経験したことのある出来事を思い起こさせる。空回りしながらも、先生のことを思い、先生だけをまっすぐに見つめる真面目な瞳。彼が死んで、世界は色あせモノクロになってしまったけれど、先生と自分がそこに存在したこと、また、愛し合った証である息子が、かつての夫と同じように教壇に立ち、自らが望んで子供に勉強を教える、親としてはきっとそれ以上の幸せなんてないのだろう。たぶん、生まれてきてから今までで一番泣いた映画。悲しいから泣くのか、嬉しいから泣くのか、分からないままに、心にのしかかってくるものを受け止めていると、何度も何度も涙がこぼれてしまった。何もかも奇麗事で済まされない世の中であっても、初恋の思い出だけは、美しい姿のままとどめておきたいものだ。
【揺香】さん 10点(2004-07-08 12:45:20)(良:1票)
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