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《ネタバレ》 元々数は少ないギリアム作品の中で、唯一の人情物語。「らしくない映画」と不人気な作品だけれど、私は実は結構好きなのだ。初めて劇場で観たときはえらく退屈で長いうえに、ギリアムの持つ尖った部分が消え失せた気がして相当ガッカリして帰ってきたのだが、改めて見直すと、それまで彼の作品の中では感じることができなかった優しい空気が非常に心地よいのだ。映像で魅せる方法でコケてしまい、自分の個性を抑えて監督したのが本作。だからロビン・ウィリアムズ出演でも強い個性同士のケンカは感じられないし、彼の持つ優しさ、アドリブのうまさを逆に活かして成功していると思う。ギリアムも失敗で苦労して、こんな人情物語に少なからず共感しながら撮ったんじゃないのかな、なんて今は思う。しかし、ギリアム印とシールでも貼ってありそうなほど目を惹くシーンは、少なめだがちゃんと盛り込んである。今後も、ここまで後味が清々しいギリアム作品って出てこないと思うのである意味貴重かも知れない。余談ですが、劇場に見に行ったとき、全裸ダンスのシーンで館内がら空きなのを良いことに、外人カップルがげらげら笑いながら踊りだした。残念ながら服は着たままだったけれど…。
【のはら】さん 9点(2004-06-13 16:57:39)
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