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《ネタバレ》 私が観たのはこちらの完全版の方らしい。この映画は、鮮烈な画を脳裏に残し、鮮烈な傷を心に残した。あの海辺の燃えるバンガローのように、若くて美しくて、自分の愛した才能のために弾丸のように真っ直ぐ、命いっぱいに行動する激しい気性のベティ。そして、いつもいつも激しさでなく優しさでそれを返すゾルグ。海辺の町、パリ、田舎の家と場所を移しながらも二人の愛の関係は変わることはない。最後にはベティは心を無くし、空を見つめるような状態になってしまうけれど、なおもゾルグの愛は続く。ベティが羨ましかった。愛の形は人それぞれ違うものだと思うけれど、この飾らない気持ちを100%の形で伝てしまうその性格、周りを顧みることなく突っ走ってしまう行動性、それを受け止めてくれる、大切な片割れの存在。心をさらけ出して失敗し、躊躇と愛想笑いばかりが増える私には、毒のように強い彼女の純粋さが強烈に心にしみた。かなり長い時間の映画で途中抑揚の無い部分もあるが、二人の、時に大きかったり小さかったりするふれあいのシーンを最後までじっと見つめていた。ベティとゾルグと、溢れんばかりの感情を受け止め、切なくて泣けてきたのを覚えている。観てからかなり時間が経っているけれど、あの時の傷は今でも疼く。
【のはら】さん 9点(2004-03-25 03:05:07)(良:1票)
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