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愚かな男達が愚かさに殉じて死んでいく。そんな話です。でもそんな話にやっぱりしびれてしまいます。『七人の侍』はもちろん、たぶんそれよりもっと『ワイルドバンチ』に対する深い想いを感じた映画でした。死んでいった男達が想いを傾けていたものの善し悪しを生き残った者の価値観で評価することを頑として拒否する。そんな映画です。理不尽でも時代遅れでも間違ってても傲慢でも、何かを頼んで絶望に向かう。その行為をうたいあげない。けれど、絶望に立ち向かうちからが沸き上がる瞬間の訪れをしっかりとらえる。ゴロッと重たいまま転がしたような重量感のあるアクションシークエンスは素晴らしい作りだと思います。ただ、音楽はちょっと上滑りかな。それは残念。一歩間違ったらものすごく理不尽なお話ですが(というか十分理不尽なお話なんですけど)ぎりぎりでチャン・ツィイーの魅力で踏みとどまってる感はあります。彼女に魅力を感じられないと、なんでそうなるのよ!って話になりかねないんですけどね。幸い僕はある程度この映画の時代背景を了解していたのですんなりいったんですけど、予備知識ゼロで乗り出すとこの微妙な三つどもえ感はいまいち実感できないまま進んでしまうかもしれません。でも僕はすごく血がたぎりました。雄叫びをあげて突進する。たとえもう遅くても。その無意味な輝きをやっぱりどこかで追い求めてしまうのです、男の子は。
【am】さん 8点(2004-11-21 02:50:07)
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