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《ネタバレ》 何か大きなものをなくしたとき、泣いている間は楽なもの。想いを涙にすることで、言いようのない喪失感から逃れることができるから。しかし人はそんなにしょっちゅう涙を流してもいられない。悔やんでも戻らないし、せめて立ち止まりたいと願っても押し流されるように「日常」が始まる。息子を近くに感じるために会いたいと願った「彼女」は少年と一緒にやって来た。彼女と少年を乗せて走る車。ジョバンニは、このドライブの終点が何を意味するかを感覚的に悟っていて、もう少し遠くまで、もう少し、もう少しと車を走らせる。やがて夜が明け、国境に至る。息子の死はもう「過去」。決して言葉にはしないけれど、彼らの諦めともとれるような笑顔に、人間の強さや美しさを感じました。非常にリアルで美しい作品です。
【ぽめ】さん 9点(2004-05-19 00:11:59)(良:1票)
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