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泣ける映画は好きだが、これはどうしても「こうやったら日本人は泣く」というツボを心得すぎていて、その手法をあざとく使いまくっている印象がある。泣きどころのエピソードもどこかで見たような気がするものばかり。そんな泣かせ攻撃を並べただけなら私は駄作の烙印を押したであろう。そもそも十代の暴走愛に悲劇という後ろ盾があれば泣いて当然。しかしそこでこの作品が一歩踏み出したものとは何か?それは要所要所での小物使いの巧さである。カセットテープ、写真、台風、婚姻届、遺骨。これらの使い方が非常に巧かった。大沢たかおは泣く演技がなかなか達者である。そして山崎努はとても重要な存在感を放っていた。映像的にも80年代半ばの流行をよく研究しており、現在20代後半~30代前半の者にとっては懐かしい感傷にかられることは間違いない。悲劇的でありながら鑑賞後の後味も良い。少女漫画風味であることは否めないが、逆にいえば少女漫画における恋愛物語で育った者には好まれる内容であることは確か。私ももちろんその一人である。
【HARVEST】さん 8点(2004-05-25 04:08:42)
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