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空撮アングルですっかり平和になったゴッサムシティの全景が映される。
執事「ご主人様(バットマン)、なぜずっと屋敷に引きこもっているのです? ふたたび来る巨大な悪を待っているのですか?」 ゴッサムシティのいたるところで爆発が起き、火柱が上がる。 バットマンは、ゴッサムシティーが平和である限りは、活躍できないヒーロー(どころか英雄デント殺しの犯人)というのが皮肉だ。 混乱と秩序の対比、悪と善の対比は、本作品のひとつのテーマだが、 混乱=悪、秩序=善、あるいは、混乱=善、秩序=悪というシンプルな対応ではないのが面白い。 ゴッサムシティが荒廃しているときは、ヒーローが待望され、デント死後の平和な時代では、秩序が憎まれている。 ベインは悪役ではあるが、市民にも支持者がいる。 ベイン「権力者と金持ちをストリートへ引きずり出そう。われわれが味わってきた冷酷な世界へ」 というセリフに、市民が熱狂するのも納得できる。 たぶん、ゴッサムシティーとニューヨークを重ねてみるならなおさら。 2011年秋、ニューヨークのウォール街で「権力者や金持ち」の不当さに対する怒りを持つ市民たちによるデモが行われた。 2012年の映画なのだから、そのことを思い出さざるを得ないし、ベインのセリフ「シティは本当は市民のものなんだ」はなかなか魅力があると感じる。 【ことり式】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-08-01 01:30:15)
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