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《ネタバレ》 終盤の、飛行機絡みのシークエンス以外は、ホテル内の場面がほとんどですが、次の『ラヴ・ハッピー』とは好対照の明るい照明の下で、久しぶりにスクリーンに帰って来たマルクス兄弟も、どこか伸び伸びしている感じがします。グルーチョの、お馴染みのインチキ支配人ぶり (特に、後半に登場する尊大な老紳士と、一言も喋らないその妻を撃退するシーンは、完成された良質のコントのように面白い) 、チコのピンボケぶりとピアノ演奏 (演目は「ビア樽ポルカ」、『マルクス兄弟珍サーカス』に続いて再登場) も円熟して良い味を出しています。そして最も素晴らしいのは、何と言ってもハーポでしょう。海外のあるマルクス兄弟研究家は、「後期の映画で、脚本が弱くなって来れば来るほど、ハーポは逆にいよいよ輝きを増して来る」と指摘。ちょっと短めになってすっきりした髪型 (実際はかつらですが) で登場し、寄りかかっているビルから引き離されると、たちまち倒壊するという有名なギャグに始まり、伯爵になりすましたシュトゥーベルとその子分をフェンシングで翻弄し、後半のカジノでの一世一代の大当たり、さらにお馴染み、名人芸のハープ演奏 (今回は、フランツ・リストの「ハンガリー狂詩曲」;後半ジャズっぽくなるアレンジも良く、彼の劇中での演奏の中で、一番のお気に入りです) …など、まさにいぶし銀の大活躍。かつての有名なギャグを再演してくれる所などもあり、なかなか味のある作品だと思います。
【Harpo=ひろしХироши】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-02-23 09:44:19)(良:1票)
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