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《ネタバレ》 敬愛する町山氏の本で怖いと褒めていたので観てみましたが、残念なことにまったく怖くありません。両親と兄妹の四人家族の物語。うち妹は序盤で非業の死を遂げます。残った三人の廻りでは不可解な現象が次々に起こり始め、旦那を除く二人が何かに憑かれたように狂っていくという展開。「ドールハウスに入り込むエッシャー風なオープニング」「シャイニングを想わせる重厚な画」「不穏な空気を作り出す不快な音響設計」「主役女性のキレの良いキレっぷり」と、話は途中まで快調に進みます。しかし折角の見事な演出も空しく、終盤に予想外の失速をみることに。その原因は、そこまで唯一正気を保っていた旦那が退場してしまうから。オカルトぽい映画を観るとき、私のようなオカルトと無縁の者は、同じ立ち位置の登場人物の目を通して起こっていることを共有するのです。その役目をする人間に去られると、移入する者の不在に置いてけぼりを食らってしまうことになるわけです。正気の人間がいなくなってしまえば、どんな突拍子も無い超常現象もやり放題。全てはイカレた人達の脳内でおこっていることで済んでしまうので「好きにすれば〜」としか言いようがない心境になってしまいます。この作品については途中までおおいに楽しめただけに、がっかり感もひとしおでした。
【皮マン】さん [インターネット(字幕)] 3点(2021-04-12 15:32:14)(良:2票)
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