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《ネタバレ》 過去に鑑賞したことがあるので、ネタを知っている状態で再見。
ネタが分かっていても、ぐいぐいと引き込まれる仕上りにはなっている。 過去や現在、真実と虚偽が入り混じる複雑なストーリーではあるが、再見してみると、それほど複雑でもないことが分かる。 絡まった線のように見えて、解き解そうとすると意外とシンプルで分かりやすい。 また、絡まり方も複雑で堅くなっているのではなく、誰でも解けるように丁寧に易しく絡まっていると思われる。 しかし、いくつかの謎や辻褄が合わないところも散見されてしまう。 一番の問題は、ソゼが逃げられる状態でありながら、わざわざ捕まって、警察に嘘八百を並べ立てることとだろう。 「ソゼ=キートン」と警察に誤認させるという目的があったと考えることもできるが、納得はいかないところではある。 しかし、これを否定すると、映画が成り立たなくなるので、深くは考えない方がよい。 辻褄が合わなくなることは承知で、こういう映画は構成されているので、粗を探すよりも単純に鑑賞する方が面白いと思う。 ネタに関しても、それほど嫌悪感はなかった。 「誰がカイザーソゼであるか?」ということをメインにして、観客に問うているのであれば、この結末に対して、ぶち切れるかもしれないが、本作のメインは「事件の顛末」を解き明かすことであると思われる。 ネタが分かっていて鑑賞していたためか、「真犯人は誰かを予想する」「どういうオチかを予想する」類の映画とはやや異なる方向性で製作されている気がした。 なかなか見所のある映像的なカットも多い点が特徴。 ブライアン・シンガーのことを完全に理解しているわけではないが、彼らしくないスタイリッシュなカットも評価できる。 ケヴィン・スペイシーの演技も素晴らしく、彼の怪演があったからこそ、これほどの映画史に話題作となったのだろう。 そういう観点からも高い評価はしたいところだが、驚かされるものの手放しで評価したくなる映画でもない。 ネタを知っていたにせよ、知らなかったにせよ、何か足りない部分はありそうだ。 これに何かを付け加えるのも蛇足となるので、そういう意味では完結しているともいえるが、何かが足りない。 他の映画のネタバレができないので、ここでは書けないが、オチが素晴らしい映画とされているものにはオチだけではなくて、それ以外にも重要なことが描かれていた。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-21 02:09:09)(良:1票)
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