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《ネタバレ》 借金返済のためここんとこ映画に出まくっているニコラス・ケイジですが、本作ではついに時代劇に進出。十字軍騎士役をケイジが演じるというキャスティングはさすがに厳しいだろうと思っていたのですが、意外なことによくハマっています。多くの人が忘れていますがこの人はオスカー俳優、トラウマを抱えた歴戦の勇者を見事に演じているのです。剣術も様になっていて、なかなか器用なところを見せてくれます。その相棒を演じるロン・パールマンは、ケイジがハマらなかった場合の保険としてキャスティングされたかのようなポジションですが(彼がいなくても物語は成立する)、ケイジとの相性はなかなか良くて二人の掛け合いは映画を面白くしています。監督のドミニク・セナも時代劇初挑戦ながら安定した演出を披露。老朽化した吊り橋を渡る場面ではハラハラさせられたし、作品のキーパーソンである女性の描き方はなかなか秀逸なものでした。「女性は魔女裁判の被害者なのか?それとも本物の魔女なのか?」というミステリーが前半部分のキーとなるのですが、この点、セナは適度に観客を混乱させる演出を施していて、なかなか引きのある物語としているのです。問題は、後半になると映画がボロボロになることで、脚本の弱さや予算の少なさといった本作の抱える弱点が一気に露呈してしまいます。女性の正体は月並みなものだったし(前半部分の引きがうまかっただけに、余計ガッカリさせられました)、ついに正体を現した悪魔のVFXは10年前のクォリティで、安っぽさが全開となっています。最終決戦の舞台が狭い書庫なので視覚的な面白みにも欠け、人類存亡を賭けた戦いであるというスケール感も表現できていません。ここでハッタリをかませなかったことが、MTV出身のドミニク・セナの限界とも言えますが。
【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 6点(2012-01-14 14:53:09)(良:1票)
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