クロニクル の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

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クロニクル の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 クロニクル
製作国
上映時間84分
劇場公開日 2013-09-27
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,SF,青春もの
レビュー情報
【8bit】さん同様、1年以上前にイギリス版ブルーレイにて鑑賞しました。劇場公開前の映画を、個人で簡単に海外から取り寄せることができる。良い時代になったものです。。。
本作の内容も、そんな現在のネットワーク社会の特徴をうまく利用したものになっています。「テクノロジーを扱った映画でもない本作のどこが?」とお思いになるかもしれませんが、それは主人公がカメラを回し続けることの理由付けの部分にあります。例えば『クローバーフィールド』では、いかに映像をリアルに作り上げても、登場人物がカメラを回し続ける点については合理的な説明をすることができず、そこが映画の穴となっていました。しかし、それから数年で個人がSNSを利用する局面は大きく広がり、FacebookやTwitterで私生活の一部を世界に公開することも、YouTubeにアップする目的で動画を撮ることも当たり前のものとなりました。本作の映像や編集は意図的にYouTubeに似せており、数分程度の短い動画の積み重ねにより全編が構成されています。pov映画は掃いて捨てる程ありますが、YouTubeに似せてきたものは恐らく本作が初めて。10年後の観客が本作の手法を受け入れられるかについては不安が残りますが、少なくとも現在の観客にはマッチしたやり方でした。。。
以上、長々と語ってしまいましたが、手法については本作の魅力の一部に過ぎません。青春ドラマとしてよくできていたことが、本作を傑作にした最大要因だったと思います。地味で陰気、彼女なし、友達なし、家では父親からの暴力を受け、学校ではアホにいじめられるというあんまりな青春を送るアンドリューの悲惨な物語が胸に突き刺さります。物語中盤で一瞬の平穏を見せるものの、その後、急速に悲劇へと雪崩込んでいく様は見ていて辛くなりました。他方、彼を一方的な被害者として描いていないという点もよく考えられています。彼が破滅したきっかけはいじめでも貧困でもなく、初体験での失敗をバカにされたことを必要以上に根に持ってしまったことでした。それは他者と触れ合いたくても触れ合えない者の悲劇。初期ティム・バートン作品を思わせる独特の暗さがあるのです。アンドリューを演じるデイン・デハーンはハマり役で、明るい表情の時にはかつてのレオナルド・ディカプリオの面影があるものの、暗い表情の時にはケイシー・アフレックのような腐った目を向けるという二面性が非常に印象的でした。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2013-12-21 04:37:46)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
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