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完璧な映画ではありませんが、B級映画の傑作だった第一作の続編としては十分すぎるほどの仕上がりです。前作は正体不明の敵に対して特殊部隊がドンパチ撃ちまくるだけの映画でした。プレデター初登場作品なのでそれだけでよかったのですが、さすがに二作目においても同じような単純な映画にすることはできない。そこでいくつかの点でパワーアップが図られています。まず、舞台をジャングルからLAに移すという大風呂敷が広げられましたが、大都会で好戦的宇宙人が暴れるという設定だけで燃えてしまいます。しかも、大都会を活かした見せ場が作り込まれており、設定に負けないビジュアルがきちんと準備されていることには感心します。物語も、プレデターと刑事の戦いに、麻薬組織間の抗争や、プレデター捕獲を目的とする政府組織までを絡めるという大盤振る舞い。こちらも設定を出して終わりではなく、設定が物語の中できちんと活かされているのですから大したものです。さらにプレデターの設定もより深化させており、武器のバリエーションを増やしたり、彼らの生態や性格に関する追加情報を適度に付加。「AVP」から「プレデターズ」まで現在のプレデター像は本作が基礎となっていることからも、本作におけるキャラクターの深化は正しかったと評価できます。。。と、決して悪くない出来であるにも関わらず本作の評判が芳しくないのは、主演がシュワではないため。私も、「この出来で主演がシュワであれば」と残念で仕方ありません。ダニー・グローバーも悪くはなかったのですが、シュワと比較するとやはり見劣りします。ただしこの主役交代も、「プレデター」というシリーズ全体として見るとあながち悪くなかったようです。というのも、「プレデターさえ出ていれば人間側の主人公は誰でもよい」という自由が生まれたため、一方でシガニー・ウィーバーが主演し続けたために物語の自由度がどんどん制限されていった「エイリアン」シリーズと比較すると、シリーズの続行が格段に楽になりました。「AVP」シリーズがプレデターシリーズを基礎としていることからも、プレデターの世界を広げるために本作における主役交代が効果を発揮していることが伺えます。
【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2004-06-05 15:32:46)
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