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炭鉱町のブラスバンドが主人公の音楽映画、という程度の予備知識で見たのですが、バンドの活動の描写は限られ、時代の流れと共に切り捨てられていく産業とそれを糧に生きてきた労働者階級の人々の厳しい現実と誇りを、当時の政策に対する批判を込めて描いた実にイギリス映画らしい人間ドラマでした。
特に病室のダニーに向けてメンバーがヘルメットにヘッドライト、バンドの正装に身を包んで”danny boy”を演奏する姿からは炭坑の労働者としての、バンドのメンバーとしての彼らの誇りが伝わってきます。 大会で優勝したが炭坑が閉鎖された彼らの前途は多難としか言いようが無い。恐らくダニーの命はもう長くはないのだろう。絶望し自殺未遂をおかすピエロ姿のダニーの息子のサッチャーに向けた痛烈な台詞もあった。もう十分本作のメッセージは伝わっているのですが、最後のダニーの演説はどうしても言葉で表現したかったのでしょう。 最後の最後で”威風堂々”を持って来た選曲も見事で、ラストの様々な思いが入り混じったように見えるダニーの表情は忘れられません 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-28 16:41:27)
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