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レビュー情報
フランク・ハーバートの長編SF小説「砂の惑星」を、東映動画のテイストでアニメ化。本作の絵コンテのようなコミックは、アニメ専門誌(アニメージュ)に掲載され、本作公開後何年も連載の続いた(休載が長かったせいもありますが)大長編となりました。構成能力のたいへん高い'60~'70年代の東映動画で仕事をしてきた宮崎だけあって、とりとめのない断片的なエピソードを1本の映画にうまくまとめてあります。また、メーヴェという小道具を出したことで、当時の宮崎の持ち味であるスピード感を、たっぷりと見せてくれています。脚本は、「砂の惑星」をベースにした壮大な設定からはみ出して見える思慮不足が、残念。主人公のナウシカは、同胞やオームには深い情けを見せるのですが、同胞でない人間の命はかなり軽んじています。人から嫌われるオームになぜ執着するのか、書き込みが足りなかったように思います。たとえば、ゴキブリと心を通わせる少女がいたら、それはかなりマズい。「かわいそうに」と言って、ほほすりよせるのは、さらにマズい。それを正当化するには、よほど強い説得力が必要なはずです。本作は、1984年、アニメブームに便乗して製作されました。当時のマニアを狙ったのですが、精密な世界観よりもむしろ、宮崎の固執する美少女キャラクターが大きく注目される作品となりました。 原画には、アマチュアの庵野秀明が参加しています(20数名のうちの1人)。
【DONGYAOS】さん 4点(2004-06-25 06:40:55)(良:1票)
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