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《ネタバレ》 アクションに徹した深作監督の画面は大したものだし、役者も悪くない。しかし下手にメッセージを入れたつもりでいるらしい脚本はタチが悪い。こうした映画を凶行の原因と弾劾するのは短絡過ぎると思うが、同時に、この脚本にも同じ種類の短絡さ、無責任さを感じる。それぞれに複雑な問題を抱えて生きていた筈の中学生達が、殺し合いが宣言された途端、感傷的で可哀想な被害者としてひとまとめに描かれる様は、同情を示しているようで実はモノ扱い。実際、「頑張れ」と空虚な言葉を残して主人公を追い詰めた実父と、本編ラストで大々的に出る字幕メッセージ「走れ!」は、無責任さ、空虚さに於て全く同じではないか。何処に向かえばいいかも知らされないまま「走れ」と強要されるから辛いのではないか。何か気の利いた事を言おうとして、自分自身も同じ残酷な事を言っていることに気付いていない、このタチの悪い能天気さ。設定や残虐描写の有無などより、こういう無責任なメッセージを発して悦に入る人間のほうが余程怖い。この脚本と、取り合えずバイオレンス映画を規制に走る風潮。両者に共通する、思考放棄、想像力の欠如に憤りを込めて、0点を付けさせてもらいます。
【i-loop】さん [DVD(邦画)] 0点(2004-07-05 00:38:42)(良:3票)
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