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《ネタバレ》 タイムパラドックスものとしては少々粗いかな?という作品。謎の装置のスイッチを入れたら、姉が殺された時点にタイムトラベルしちゃったから助けなきゃ、でも助けたら姉の死後に生まれた自分の存在は消えちゃうかも、でも助けなきゃ!という物語。そこに、そもそもタイムマシンを作ったのはヒロイン姉の同級生の物理学オタクで、当時の恨みを晴らすべく20年間頑張って完成したタイムマシンで過去に遡って同級生たちを抹殺する、という物語か重なります。
姉の死を契機に生まれたヒロインには、姉を殺人鬼の魔手から救えば自らの存在が消えるかも知れないというジレンマがあり、それに対して殺人犯は過去を変えても自分の現状は変わらないのだと確信している。過去を変えれば未来も変わるというタイムパラドックスものの一つの定番に、過去を変えても時間軸が分岐するから現在には影響しないというもう一つの定番が重なり合い、さてどっちが本当でしょう?結果ヒロインは影響を垣間見つつも過去に遡って生きることを選ぶというもの。 ん?矛盾してる?作り手的には矛盾はしてないのですね。作り手はタイトル通りに「タイム」は「カット」出来るのだという原則で組み立てている模様。でも、なんか違和感。ヒロインは姉の救出後に戻った現在で、自らの存在が両親に認識されていないことを確認しますが、だったら何であなたは存在してるの?という疑問が生じます。時間が分岐しているのであれば、もともとのヒロインの過ごした時間も存在し続けているのですから両親は認識できる筈。存在しているのに認識されないってのは変なような気が。ここはきちんと整理して欲しかったところです。 とは言ってみたものの、この手の物理の原理原則の美味しいところ取りをしてややこしく組み立てている物語は好物。難いこと言わずにエンタメとして楽しむのであれば大いに楽しい作品です。矛盾個所は多々あるものの、総じて言えばお楽しみ感十分のライトなSF。いろいろ考えさせられたというのも作り手の策にハマった証拠ですね。うん、結果的には満足したので高評価。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-04-19 09:40:14)★《更新》★
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