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《ネタバレ》 この映画、主人公が聴覚障害者のリュなのか、娘の復讐を誓うドンジンなのか、主人公の判別が難しいです(もしかしたら、それが狙いなのかもしれません)。探すのが大変なくらいBGMというものが流れません。ビシッ!とか、バキッ!とか、そういう効果音の編集もありません。徹底的に、ムダな”音”を排除しています。音が無いということは、観客を聴覚障害者の感覚へと巧みに誘導しています。上手い。それが、殴る、切るなどの渇いた、しかしリアルな生の音を効果的に活かしています。BGMがあると、テクノサウンドなら激しいアクション、コミカルポップならコメディ、クラシックなら重厚さなど、音楽の影響で観ているシーンについて勝手なイメージをもってしまうと思うからです。この映画を作った人、よく考えてます。しかもラスト、ドンジンへの復讐を果たしたのは、リュにもドンジンにもあった、憎しみや苦悩といった感情が全く無い集団。復讐の手引きをしたのはヨンミだったんですが、そこへ導いたのはリュだったのではないか? 謎は尽きません。復讐の螺旋は終わらないという恐怖と憐れみを感じてしまいました。
【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-09-15 13:25:52)
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