風花(2000) の 青観 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > 風花(2000)
 > 青観さんのレビュー
風花(2000) の 青観 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 風花(2000)
製作国
上映時間116分
劇場公開日 2001-01-27
ジャンルドラマ,小説の映画化,ロードムービー
レビュー情報
《ネタバレ》 人は誰しも挫折を一度は経験し、それによって成長していく。この映画の主人公の二人、男も女もお互い挫折しながらも相手を思い、そして、人として必ずいつかは直面する「死」という大きな問題について考えながら生きている。娘を置き去りにしたまま出逢った自分と同じような落ち零れ状態の男と旅に出る小泉今日子演じるゆり子が雪の中で「死」に向おうとする時、川の向こうから走って助けにやって来る簾司(浅野忠信)の姿にはそれまで二人で旅してきた者としての男の優しさ、かっこ良さが見られる。そういう場面をきちんと描き、見せてくれている相米慎二監督の優しさが感じられて「ありがとう!相米慎二監督」と言いたくなった。遺作にしてもこの何とも張り詰めた重たい空気の中でこんな優しさを見せてくれる相米慎二監督、監督自身が既に「死」について自分の命が短いということを察していながらもこの映画における小泉今日子と浅野忠信の二人だけには自分の分までも長生きして欲しいという何かそんな願いが感じられる。娘との再会で娘の手から飛び出して去っていく蛙の姿が親子ともう一人、浅野忠信の未来を託している象徴であるようにも思えるし、それを離れた所から見ている浅野忠信を映すシーンなど良い場面が多いのもこれまた相米慎二監督の他の映画に共通して言えるし、そして、私が一番のお気に入りの場面は旅先での宴会の場面での柄本明の「座頭市」の物真似をする所!勝新「座頭市」ファンの私にはあの場面を見て、時代こそ違えども同じ日本人として、日本映画を支えてきた者同士、あの場面、勝新がもっと長生きしていれば見せてあげたかった。相米慎二監督もきっと同じである。相米映画における空気、季節感、美しい映像美、話としての面白さよりもこの映画を観て、相米映画とは何か?物語だけが映画ではないということを教えられた思いでいっぱいです。
青観さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-17 10:20:32)(良:1票)
青観 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-10-14ドラえもん アニバーサリー256レビュー5.50点
2024-08-17クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記0レビュー0.00点
2024-03-16君たちはどう生きるか(2023)0レビュー5.87点
2024-03-10ドラゴンボール 神龍の伝説6レビュー5.33点
2024-03-01アンダーグラウンド(1995)10レビュー7.43点
2024-02-20どうぶつ宝島8レビュー7.80点
2024-02-15シン・仮面ライダー0レビュー5.46点
2024-02-11かがみの孤城7レビュー7.58点
2024-02-10キングコング: 髑髏島の巨神8レビュー6.69点
2024-02-09シン・ウルトラマン0レビュー6.29点
風花(2000)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS