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《ネタバレ》 男臭い映画を撮らせたら恐らく現役の監督の中でも一番ではないかと思うほど男臭い映画を上手く見せる。いや、見せるというよりは魅せる。魅了することの上手い監督、それがコーエン兄弟である。私はそう思っている。そして、コーエン兄弟に西部劇、これは絶対に大きなスクリーンで観るべき映画であると思って観てきました。コーエン兄弟らしく徹底した男臭さ、それは男だらけの中で唯一の女性、父親を殺され、復讐の為に執念を燃やす女、マティにしても男ぽいのである。気の強さ、それは銃を向けられても、相手に向ける時も女というよりも男のような感じが常に漂い続けている。ジェフ・ブリッジス演じる保安官コグバーンと共に馬に跨り、森の中を歩くシーン、西部劇ならではの力強くて美しいショット、空に鳴り響く銃の音、川辺の水の色、夕焼けの空の美しさ、何度となく降り落ちる雪の美しさも印象に残る。穴に落ちてしまった後、助けられるマーティと助けたコグバーン、蛇に噛まれた手から血を吸い取るシーンの惨酷さ、色んな意味で人生は惨酷である。星空の元、馬に乗る二人のシーンの何と言うべき美しさ、これは西部劇ならではの美しい映像である。大人になった彼女のラストの背中が語る人生の辛さ、父親を失い自分の片手までも失った彼女の辛さ、色んなものがこの映画を見ていると感じてきます。コーエン兄弟作品では「ノーカントリー」がアカデミー賞を獲得しているけれど、私は圧倒的にこの映画の方が素晴らしいと思うし、好きです。最後にしつこいようだけどこの映画を観て映画は、特に西部劇というジャンルは劇場で観る。劇場で観てこそだと改めて感じた次第であります。コーエン兄弟、次はどんなジャンルに挑戦してくれるのかな?個人的にはコーエン兄弟によるミュージカルなんて楽しそうです。
【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-06-16 22:43:09)(良:1票)
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