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フランク・シナトラの麻薬中毒患者ぶりが何とも恐ろしいほどリアルであり、またそんなフランク・シナトラの妻役のエリノア・パーカーの悪女ぶり、嫌な妻、それともう一人キム・ノヴァクの酒場の女のうらぶれた感じがこの作品の持つリアルさを表している。あのジャズの音楽が作品の雰囲気に見事にマッチしているのと同時に麻薬患者として、次第に崩れていくフランク・シナトラの表情に人間がどんどんと崩れていく様子が見られて怖い。そんなフランク・シナトラのポーカーの場面などとにかく圧巻である。この映画は一人の人間が薬と酒、そして、女によって人生が狂わされる姿を生々しく描くことで薬の怖さ、酒の怖さ、女の恐ろしさを描いている。これを見ると如何に人間とはちょっとしたことでおかしくなってしまう生きものであるということを考えさせられる。アメリカは大都市シカゴの街のけだるい雰囲気がより一層、この映画を恐ろしくも哀しい人間ドラマを生み出しているように思えるし、シカゴという街全体がまるで人間の恐ろしさを表しているようにも思えてならない。とにかく観ていて怖い映画です。
【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-12 22:38:51)(良:2票)
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