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感想を書く前にまず、かつての敵国の人間にこのような映画を撮られてしまったことについて、日本の映画関係者が何を思ったのかを知りたい。切歯扼腕しただろうか。それとも、“アメリカの資本で、しかも監督がイーストウッドだからしょうがない…”と諦めに近い気持ちで本作を眺めただろうか。まあ、おそらくどちらかになるだろうが、私みたいな無責任で偏屈な一鑑賞者としては、実はどっちも許せないのである。つまり、本作のような“逆輸入邦画”、それも我々日本人が何にもましてそれなりの金額を投じ、時間をかけ、かつ慎重に作り上げなければならないものを今までなおざりにしてきた事実という罪(あえて罪と言う)を日本映画界は犯したということ、それがとても残念でなりません。TVドラマの延長のごとき軽佻浮薄な作品を垂れ流してきたバチが当たったのではないでしょうか。いろんな意味であらゆる日本人が襟を正して観るべき映画だと思うし、細かいディテールがなってないなど、おのずと評価は分かれようとも、日本人という異文化民族に対するエキゾティックな先入観をできる限り排して作られたこのハリウッド映画を、今度は我々自身が真正面から受け止めなければならない、とも思います。栗林中将の「自分たちのこの戦いを、後世の日本人は必ずや評価してくれるだろう」の台詞が重く、そして痛い。その通り。栗林さん、あなたの言葉は間違っていなかった。ただ、そのことをアメリカに教えられるとは考えもしなかったでしょうけど。
【Roxy】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-29 19:06:46)(良:1票)
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