ハウルの動く城 の Roxy さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > ハウルの動く城
 > Roxyさんのレビュー
ハウルの動く城 の Roxy さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハウルの動く城
製作国
上映時間119分
劇場公開日 2004-11-20
ジャンルアドベンチャー,ファンタジー,戦争もの,アニメ,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
人間の特徴の一つに,年をとるにしたがって,生と死の間で失うものが少なくなるにもかかわらず,ますます保守的になっていくというのがある……さて,宮崎駿も今年で65歳,日本映画界の重鎮と呼ばれるまでになった。「カリオストロの城」を手がけたときは,まだ40歳にも満たなかった。あれはすばらしいアニメ映画だったが,それから25年経った今,宮崎駿本人はますます年をとり,自らのインナースペースの小部屋に閉じこもろうとしているように見える。前作の「千と千尋の神隠し」で,そのことをそこはかとなく感じた。「千と……」のときは,まだかろうじてスクリーンを挟んだこちら側とあちら側のバランスを何とか取ろうとしているように思えたのだが,この「ハウルの動く城」では,その努力を放棄したかのようだ。率直に言うと,彼にはもう,純粋な娯楽映画はつくれないだろう……本来彼が持っていたエネルギー,つまり感動・躍動・透明な飛翔感といったどこまでも上昇するシンプルな力が,次第に思索という名札をぶら下げた,内へ内へと落下していくものへと変わっていってしまった。「カリオストロの城」から「ラピュタ」に至るまでのパワーを知っている者には,そのことがとても鬱陶しいのである。この映画も含め,近年のジブリ映画は抹香臭くてしかたがない(こたびの「ゲド戦記」もそんな予感がする。息子には今のジブリに風穴を開けて欲しいが……)。宮崎駿が才能に恵まれた人物であることを私たちは知っているので,落ちぶれたなどと言うつもりはないが,手放しで称賛することは,今の時点ではもはやできない。そのことが,とても寂しい。
Roxyさん [DVD(邦画)] 3点(2006-07-07 15:44:33)
Roxy さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2007-09-24バタフライ・エフェクト/劇場公開版8レビュー7.49点
2007-06-12スパイダーマン38レビュー6.37点
2007-06-12時をかける少女(2006)9レビュー7.24点
2006-12-29スーパーマン リターンズ6レビュー6.30点
2006-12-29硫黄島からの手紙8レビュー6.90点
2006-10-16男たちの大和 YAMATO6レビュー6.29点
2006-07-20ターミネーター29レビュー8.56点
2006-07-19バック・トゥ・ザ・フューチャー10レビュー9.01点
2006-07-18CUBE8レビュー7.49点
2006-07-18アイス・エイジ7レビュー6.21点
ハウルの動く城のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS