ライフ・アクアティック の 目隠シスト さんのクチコミ・感想

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ライフ・アクアティック の 目隠シスト さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ライフ・アクアティック
製作国
上映時間118分
劇場公開日 2005-05-07
ジャンルコメディ,アドベンチャー,ファンタジー
レビュー情報
《ネタバレ》 彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。
目隠シストさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:57:46)
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