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《ネタバレ》 舞台となるのは、江戸時代のとある貧乏長屋。店子は揃いも揃って銭無しです(ばあさん1人を除く)。暮らし向きはお世辞にも良いとは言えません。ただ、みんなイキイキとしています。それは生きる姿勢が前向きだからです。良い意味での開き直り。だから時にはハメを外し過ぎてしまうのです。これもひとつの正しい生き方の見本。“運が良けりゃ明日がくるさ”くらいの心持ちで、気軽に生きるのも悪くないと思いました(もっとも彼らにそれ以外の選択肢があった訳では無く、貧乏自体が良いとは思いませんけども)。ベースが古典落語であるため、どのエピソードも洒落ていて面白く、当時の風俗をみるのも楽しいです。基本はハナ肇の『馬鹿』3部作のノリながら、キャストに倍賞千恵子、渥美清を配するなど、後の『男はつらいよ』への流れも感じられ、興味深い作品でした。それにしても渥美は別格です。終盤ほんのわずかな出番ながら、その存在感は他を圧倒していました。主役級であれば問題ありませんが、端役での出演は作品のバランスを壊しかねません。『男はつらいよ』のキャスティングの所以も、本作から感じ取れます。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-02-05 17:53:44)
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