インサイド・マン の 目隠シスト さんのクチコミ・感想

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インサイド・マン の 目隠シスト さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 インサイド・マン
製作国
上映時間129分
劇場公開日 2006-06-10
ジャンルドラマ,サスペンス,シリーズもの,犯罪もの,ミステリー
レビュー情報
《ネタバレ》 逃亡プランは最初からネタバレしていますし、獲物の持ち出し方も、冒頭で示唆されています。ですから事件の外観はよく分かる。でも真相は不明な部分が多い。そこで自分なりの想像を含めて、事件の全貌を整理してみます。犯人の狙いは現金ではなく、会長のお宝でした。貸金庫に眠る大量のダイヤモンド。ナチスの資料は、立て籠もりとダイヤ窃盗を刑事事件にさせないための保険。弱みを握られている会長は、秘密保持のために事件にさせないはず。ただし人質が死んだら話は別。そのためのモデルガン。倉庫に隠れる発想は面白いですが、行員に気付かれる可能性は高い。にもかかわらず実行に移せたのは勝算があったから。トイレをつくる余裕まである。その自信の源こそが「インサイドマン」。貸金庫の存在と中身を知る人物で、計画の立案者。古参の会長側近で要職にある人物と推測します。彼の力があれば、倉庫は安全なスペースに変わります。ちなみに実行犯は4人。お宝を持ち帰った車の中は5人。多い1人が“彼”。会長のもう一つのアキレス腱は指輪です。「指輪を追え」は、会長の過去を追えということ。このメッセージを警察に送った理由。そこには“復讐”“制裁”の意味が垣間見えます。証拠を手にした犯人と、秘密を探る警察からの挟み撃ち。会長の精神的苦痛は甚大です。犯人の安全を確保するだけなら、ここまでする必要はありません。もっとも会長は、こんな日が来るのを待っていたのではないかと。書類や指輪を捨てられない。つまり自分の行為を割り切れていない証拠。そこに会長の良心が見える。なお、犯人が指輪の秘密を託す相手は“知りえた事実をマスコミに売ったりしない”真面目な警官でなくてはなりません。秘密が公になったら切り札の価値が無くなってしまう。そのお眼鏡に適ったのがデンゼル。結果彼は、スキャンダル回避と昇進と一粒のダイヤを手に入れます。彼が直接要求した見返りではないと思います。でも予想していなかった訳でもない。会長もジョディも、人の弱みに付け込んでのし上がった人間。残念ながら正直者はバカを見るのが現実です。デンゼルが受け取った報酬は正当とは思えません。でも彼ら“成功者”よりは随分マシ。インサイドマンの顔が明らかにされないのは、物語の欠点だと思います。でもその分解釈に幅はある。例えば“神”や“良心”と呼ばれる心の内にあるもの。それもまた、インサイドマンと言えないでしょうか。
目隠シストさん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-11 18:52:23)(良:3票)
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