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《ネタバレ》 率直に言えば、随分とお手軽に映画にしたなという印象。わが子に聞かせるために監督自身が創作した御伽話がベースとのこと。確かにそんな感じ。基本的に思いつきのお話なので、設定のワキは甘い。「何故、海の精は命をかけて人間世界を変えようとするの?」「何故ナーフを襲う化け物がいるの?」子供に聞かれるとお父さん(監督)は困ると思う。「どうしてだろうね」と優しくかわすか「どうしてもだ!さっさと寝ろ!」と逆ギレするくらいしか無いのではないかと思う。ご都合主義のオンパレード。特に荒唐無稽な話を住民たちが信じていく過程を省略したのは手抜きだと思います。おそらく人心掌握もストーリーの不思議な力のひとつなのでしょう。でもそれならば、作中で説明するべき。何でも「ファンタジーだから」で逃げられるものではありません。世界を変えるキッカケとなる“器”を、監督自身が演じているのも寒い。どんだけ自信家なんだと思う。完成度という尺度で本作を測るなら、決して褒められた作品だとは思いません。でも、自分はキライじゃありません。“大筋の”発想は結構好き。次々と役割に住人たちが当てはまっていく様は爽快だし、“世界を変えよう”というメッセージ性も悪くない。ですから、脚本だけ練り直してセルフリメイクしたら、上質なファンタジーに生まれ変わると思う。ストーリー役のブライス・ダラス・ハワードの透明感は相変わらず素晴らしい。そして何より本作を憎めないのは、もし自分が子供だったら、こんな面白い御伽話を聞かせてくれるお父さんを、大好きだと思うから。
【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-20 18:04:57)(良:2票)
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