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《ネタバレ》 「人生に首根っこ押さえられたか」ジャックに放たれたストーンの言葉が胸を抉ります。チンピラに見透かされる屈辱。でもジャックにはどうする事も出来ません。図星だから。自分でも薄々分かっていた事だから。自分の中に生きるための“基準”が無いこと。そんな空虚な人間が、偉そうに罪人に指導する滑稽さ。気付いてしまったら、もう元には戻れません。彼は絶望したに違い有りません。終着点が見えてきた残りの人生、このまま逃げ遂せたかもしれないのに。ところが最終18番ホールにきて、アドレスにさえ入れぬ大醜態。そんな時、彼の耳に聞こえてきた神の音叉は、ハエの羽音。ジャックはこれから自身の“基準”を手に入れるつもりでしょうか。これは痛い物語でした。ジャックが陥った“熟年男性の危機”は、他人事とは思えぬリアリティを持って自分の心を捉えました。仕事と家庭。積重ねてきた“真実”の価値に自信が持てるかどうか。そういう意味では、紛い物だろうとペテンだろうと、基準を手に入れたストーンは間違いなく強い。羨ましいとは思いませんが。実際に人生の土壇場で躓くとしたら、きっとこんな“小石”なのだろうと思います。今のうちから、足腰をしなやかに鍛えておかねば。くわばらくわばら。宗教色が強いため、自分にとっては少々敷居が高い作品ではありましたが、本筋は実にオーソドックスなヒューマンドラマであったと思います。ミラが予想外に上手くてビックリ。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-10 20:14:16)(良:1票)
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