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《ネタバレ》 この作品、初見の印象はかなり悪いものでした。狭い世界を経験しただけで、主人公が何かを悟ったような気になっていること。自分の責任で招いたドロドロの人間関係から逃げたこと。自分を必要としている所へ戻るという安直な選択等に共感できなかったためです。タブーに触れたエピソードにも嫌悪感を抱きました。初見から2年。再見して、違う見方をするようになりました。この作品はとても現実的なのだと気付いたのです。個人差こそあれ、すべての人が限られた世界しか経験しません。経験する世界の狭さを否定するのは違うと感じました。また、自分の生きていく役割(作中では“仕事”という表現)を見つけることは必ずしも経験する世界の広さに比例しないとも思うようになりました。また、自分を必要としている所へ戻ることは安直なのか?人は生きている意味を見つけたい生き物です。それが分からぬ一生も、それを見つけた一生も共に尊いです。単に主人公は後者だっただけです。それでも結果的に彼女との人間関係から逃れたことには、不満が残ります。それが彼女の為であったとしても、ドロドロの中で生きていかざるを得ないのが人生だと思うからです。再見でこれだけ印象が変わった作品は初めてです。解釈の仕方は様々だと改めて思いました。それでもやっぱり、好きではない作品です。
【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-17 18:00:54)
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