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《ネタバレ》 命の危険を賭してまで子を産む選択をする母親。賢明な選択とは思えません。自分が父親でもやはり止めます。しかし、これも家族が選んだ道。正しいかどうかは誰にも分かりません。生まれる命もあれば、消えようとする命もあります。エイズに侵された黒人のマテオ。孤独に病と闘う男。彼にとってこの家族との出会いは、残された人生に潤いを与える、かけがえのないものだったはずです。赤ちゃんが助かったのは、神様のおかげかどうかは分かりません。しかし家族とマテオの出会いに意味があったこと、親の祈り、家族の祈り、命を愛する死にゆく男の祈りが、尊いものであったことは間違いありません。そして赤ちゃんは与えてくれました。涙を流すことを拒絶した父に涙を。弟の死に心を縛られた姉に、自ら心を解き放とうとする意思の力を。心の傷は消えなくても、大切な人の死を受け止める力を与えてくれました。これからも、この家族には厳しい現実が待っているでしょう。しかし、苦しい生活の中でも楽しみを見つけられるこの家族に、少しでも光の当たる人生が待っていることを願わずにはいられません。それがマンハッタンの夜空に浮かぶ月が照らすような、ほのかな光でも。
【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 17:40:43)(良:1票)
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