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《ネタバレ》 小津のトーキー作品はリズム感のある台詞が一つの魅力だが、台詞がないどころか音楽もない本作であってもカットやカメラワークや笑いがリズムを感じさせてくれる。子どもにとって父親は誰よりも偉いはずの存在。そんな父親が友達の父親に頭を下げている姿を見て偶像破壊によるショックを受ける子ども。自分の拙い人生を子どもに指摘され、さらには非難される父親。――父「お父さんだってこんな風になりたかったわけじゃないんだ・・・なりたかった訳じゃない。・・・しかしだな、しかししょうがないんだよ。人に頭下げながらでも働かなくちゃならんのだよ」―兄「やだぁい、やだぁい。そんなの分かんないやぁい。そんなのやめてしまえやぁい」―弟「やめちゃえやめちゃえ」―父「お前達の為でもあるん・・・」―弟「やめちゃえやめちゃえ」――そんな会話が脳内で繰り広げられる。最後には大人の世界を少しだけ理解する兄弟。些細な幸せを守り続ける父親。人生における最大の問いに向き合う親子をミニマムに映し出した、紛れもない傑作。
【stroheim】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-18 06:00:52)
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