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《ネタバレ》 ◆誰もが脳内に描くベタなドラキュラ伯爵伝説を、巧みに、斬新に映像化した映画。◆徹底してセット撮影されたツクリモノの世界が絵巻物フウの印象を醸し出している。本作は「動く絵」を鑑賞する映画なのだ。◆ドラキュラの「影」の描写、ハーカー弁護士と女吸血鬼たちの官能シーン、嵐の中で陵辱される美女、ミナの涙を宝石に変える伯爵、血の契約を交わすベッドシーン…いずれの絵巻も秀逸。◆ストーリーの面では、原作にはなかった「愛」の要素を大きくとりいれられている。◆はるか昔に亡くなった王妃を忘れられない伯爵の執着と、伯爵の強大なチカラとエロスに惹かれるミナ…モラルを越えたふたりの繋がりは、人間の中に渦巻く魂の一面を描写している。◆そのようなアンモラルな演出のとばっちりをくらってるのがハーカー弁護士で、徹底してへぼい男として描かれており、キアヌリーブスの演技もそれにはまっている。爽快なまでのへぼさだ。◆全編を通して闇への賛歌を送りつつも、ラストではヒトは闇の世界にはとどまれないことを描いている。物悲しい結末だ。◆欠点をあげると、原作を、児童書版でもいいから読んでおけ…テキなシーンがいくつかある気がする。船のシーンとか読んでなきゃ意味わからんよね。そのへんがこの傑作の評価を下げてる一因かな。
【ワルモノ】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-07-05 12:47:37)
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