瞳の奥の秘密 の θ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヒ行
 > 瞳の奥の秘密
 > θさんのレビュー
瞳の奥の秘密 の θ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 瞳の奥の秘密
製作国アルゼンチン,スペイン
上映時間129分
劇場公開日 2010-08-14
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 見終わって、ずっしりと心に響いてくるタイプの映画。ロマンスとサスペンスをギリギリのところでかけ合わせていて、細部に甘いところはあるものの、非常に好感度は高い。でもメインは多分サスペンスでもロマンスでもなくて「人間は過去とどう向き合うか」という永遠の主題であろう。

■カメラワークがとにかく秀逸。スタジアムの中に一気に引き込む回し方や、ゴメスと一緒に落ちていき、捕まるところまで撮っていく一連の長回しは圧巻。最後を扉が閉じて終わらせたところや、牢屋の小屋に入っていくシーンなど、細かなところにも写し方をこだわっている。

■タイトルにもあるように「瞳」の演技が素晴らしく、まさに何も語らないところで「瞳で語る」ようなシーンも多い。駅の別れや誘うシーンなどのわかりやすいところから、タイプライターを打つちょっとしたシーンまで、瞳がいろいろと語ってくる。

■最後の展開は決して私刑を擁護しているのではなく、まさに人は過去に囚われざるを得ず、特に「時間が止まってしまった」かのような男リカルドはあのようにならざるを得ない、そういう「不条理」を示しているのであろう。過去は忘れるのでもなかったことにするのでもなく、それにとらわれながらしか生きられないし、その中で最善を尽くすしかない。「よい方の選択肢を」とベンハミンにいうリカルドは、裏を返せば自分には選択肢すら与えられなかった(妻を失うしかなかった)ということを示唆しているのだろう。
θさん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-21 01:20:51)(良:2票)
θ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2022-05-28TENET テネット7レビュー6.19点
2020-09-17ピカソ-天才の秘密8レビュー8.45点
2018-07-10NO6レビュー7.00点
2016-02-14オデッセイ(2015)8レビュー6.82点
2015-10-13プリデスティネーション8レビュー7.16点
2015-09-09ローン・サバイバー7レビュー6.83点
2015-09-01悪魔は誰だ9レビュー7.33点
2015-07-10プリズナーズ9レビュー7.31点
2015-07-09インターステラー8レビュー7.66点
2015-06-03テロ,ライブ9レビュー7.60点
瞳の奥の秘密のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS